クラフトワーク「アウトバーン」 /通過する音

フローリアン・シュナイダーの逝去の報をきいてクラフトワークを改めて聞く。Spotifyなどに1〜3枚目の初期作品はないので4thの「Autobahn」を。フローリアンの演奏するフルートが沢山聴けるのは5曲目の「Morgenspaziergang(朝の散歩)」

 

 

曲の冒頭から「小鳥のさえずり/羽音/水音」をシンセサイザーで模しており、ニセモノ感がかわいらしい。フルートは清々しくいかにも朝の空気。主要メンバー、ラルフ・ヒュッターのインタビューでは「スタジオで徹夜した朝の表現」と語ってる。少しだけ「あつまれどうぶつの森」メインテーマにも似ている。

波形感ある鳥と水

このアルバムは「シンセサイザーで自然音や機械音を模す」というコンセプトがわかりやすく、ビジュアルを想起しやすい。この5曲めは「鳥、水」だけど最も有名なタイトル曲、1曲目のAutobahn(高速道路)は「行き交う車、通行音、風」だ。以下は視覚とのつながりについてラルフ・ヒュッターのインタビューより。

我々はデュッセルドルフのビジュアルなアートシーンの近くにいて、それはクラフトワークにとって、すごく重要なことだった。絵画と音の風景を組み合わせた、つまり耳で聴いて目で見る音楽だったからだ。言葉で表現するのは無理だな。とにかく音楽を見るんだよ。http://rocqt.net/140327

「Autobahn」は、22分48秒の長い曲だがこのうち8分10秒くらいからおよそ4分間、音程のある音をとめ、「高速道路を通過する音」をメインに構成している。誰もが対向車、風、通過する陸橋などを視覚的にイメージできる。 (以下リンクはそのあたりから再生にしてある。)

カバーバージョンでの「通過」

このAutobahnをセニョール・ココナッツがユーモラスにカバーしたものがある。(冒頭、原曲のようにエンジンがかからず車を降りるのが笑える。)ラテンの楽器とリズムでこの曲を表現しているが、この「通過部分」も再現されている。ただ、確実に車ではない何かが行き交う。3’30”から。

記事冒頭の絵はその通過物を描いた。このように音が左右に行き交ったり、登場しては消えていくような表現をしている曲をリサーチしたいと思っている。(ご存知であれば教えてください。)